アキバ署!

月刊アフタヌーンの7月号(最新号)に掲載された『アキバ署!』を会社に行く電車内で読んだが、驚嘆した。プライバシー保護とWinnyの関係についてこれほどまで理解しやすく示唆に富んだ作品をマンガで読ませるとは、素晴らしい原作者に恵まれたか作者が練りに練り上げたかのどちらかだろう。本人の知らないうちに写真を撮られてネットアイドルにされていた、という話はマンガでも小説でもいくらでもある。(美鳥の日々でもそんなエピソードあったなぁ) だが更に内容を踏み込んだあげくに話も設定も破綻していないのは恐ろしささえ感じる。このマンガは、高木浩光氏がはてなダイアリーの2004年5月16日で書いた「市民の安全を深刻に害し得る装置としてのWinny (  http://d.hatena.ne.jp/HiromitsuTakagi/20040516#p1 )」で話しているWinnyの問題点を、体感させてくれると言い切れる。実は原案者に高木浩光氏が関わっているのではないか、などと思ったり。
惜しいのは、問題を解決させるのに、ドラマ性を持たせる為とはいえ主人公に非合法な対応を行わせてしまっている点。主人公の正義の為に非合法行為が認められるのなら世の中楽なのだが、そうではない為にネットワークセキュリティ関係者は日夜苦労し続けている訳で、何か他に良い解決方法が無かったのかと考える。(ページ数の都合や、ストーリーをハッピーエンドにする為にはこうするしかないとは理解できるが)