機能美

 紙の裁断機、これが出張所に置いてあるんだが、切れなくなってきたという苦情が現地から出てきた。んで、替え刃を注文し現地に届けて「交換してもらえますか?」「無理!!」  えー、めんどいー。
 まぁ仕方がないので自分が外勤して刃の交換作業に勤しむことになる。ドライバーとモンキースパナとロングノーズをカバンに潜ませ電車で一時間、ようやく到着。 この間、お巡りさんに職務質問されなくてよかったよ。もし職質くらってカバンの中身を見られたら、エロ本入れてて見られるよりも気恥ずかしいし、おそらく交番まで行って事情説明しなきゃ解放してくんない。
 そうこうしてるうちに出張所に到着。兄貴には負けますが、これでも小手先は器用な方なんで裁断機の刃の交換なんぞは簡単に。10日分の古新聞を重ねて置いて、固定してからレバーを下げて一発で裁断できた時には妙な感動が。

 んで、古い方の刃はメーカーに送って研磨してもらって再度こちらに送り返してもらうわけですが。厚さ7mm長さ50cmの極厚のブレードが、手元にあるンですよ。いかに文具とはいえ、これは立派な凶器ですよ武器ですよ。今までどんな無茶した使い方したのか、結構刃が欠けてたりするわけで。そして替え刃を手にした時に、なんか手にしながら考える事がありまして。ゴゴゴゴゴゴとか頭の中で響いてたりするワケですよ、荒木飛呂彦のマンガチックに(笑)。 日本刀とかグルカナイフとか柳刃包丁とか鉈とか、そんなのとはまた違った凄みがあるんですな。
 振り回すわけにもいかないので、切れ味を確認するに留めましたよ。 ちなみに、包丁を研いだ時に切れ味が戻ってるかどうか、職人がどうやって確認するか知ってます? 左手の親指の爪に斜めの位置から軽く包丁を当てて、刃先がちゃんと止まるか、止まらずに滑るかで切れ味が戻ってるか見るんです。 …。 …まぁご想像通り。 血までは出ませんでしたが、結構な深爪(違います)。まぁ痛くはないけどね。 ブレードの重さを計算に入れてなかった。良い子は真似しないように。