シャカシャカとかジャッジングとか。

マジックのルール上、シャカシャカ(ハンドシャフル)そのものを禁じるルールはない。

 当たり前だ、一々全部の行為に許可や禁止なんぞやれるワケがない。ルールで禁じられていないからといって、書かれていない事は何をやっても良い訳じゃない。ルールには書いてないけど、席で貧乏揺すりするのはやかましいし椅子が傷む。トラッシュ・トークについても友人と話しているのか第三者と話しているのかどう思うかなんか一々ルールで書いていない。豚骨ニンニクラーメンのニンニク大盛りを昼飯で食った後のゲップを対戦相手に向けてするのが、どのルールに抵触するかなんて書いてある筈がない。線引きするにしたって、貧乏揺すりを40デシベル以上を禁止するなんて線引きされても仕方がないしこっちも計測する気なんざ無い。シャカシャカも同様。
 ではどうするか? そんな一々明文化できないから、伝家の宝刀のペナルティ分類『非紳士的行為』がある。

 じゃぁ、シャカシャカが気になる人は即ジャッジを呼べばいいのか? 断じてNo! 『マジックはコミュニケーションする為のゲーム』である事を思い出そう。 『まず、ジャッジにアピールする前に、自分で言ってから』 遅延行為にせよ、ブロック宣言を明言しない行為にせよ、どれもまずは対戦相手に言うのは自分の権利であり義務。「もっと早くプレイできませんか?」「そのトークンはどのクリーチャーをブロックしてますか?」「気になるんで、手札をシャカシャカするの止めてくれませんか?」「気に障るので、エンド宣言の時に口で言わずに舌打ちで示すのを止めてくれませんか?」
 断言するが、対戦相手の6割は自覚症状が無い。自分が遅延してると気付いてない(orまだセーフだと思ってる)し、シャカシャカやってて対戦相手が気に障ってるかどうかも分からない。

 なので、まず自分で言おう。ジャッジを呼ぶよりも早くて確実で、対戦相手も言われてそんなに気にする事も無い。 もう一度言おう。『マジックはコミュニケーションする為のゲーム』。自分からコミュニケーションしたくないから、いきなりジャッジを経由して主張しようというのは、平安時代の公家さんとか英国貴族階級のお嬢様が召使を使って人に伝えるのと一緒。正直言えば、そこらへんまで懇切丁寧に対応できるほどジャッジはフロアに居ないんで。

 それで、だ。もし貴方が対戦相手に伝えても改善しなかったら、その時こそジャッジに言って欲しい。「自分がまず、早くプレイしてほしいと何度か言ったのに、それでも何分も考える遅延行為をするんですけど」 もし私がジャッジだったら、対戦相手にも注意された事を確認した上で、注意された事を認めたら、その時点で遅延行為のペナルティ(まぁCDCだったら注意だけど。PTQ以上で警告)を対戦相手に出し、3分の延長時間を認める。もし、いきなりジャッジを呼んで「遅延しているみたいなんですけど」と言われたら、私がジャッジだとしたらそのまま見続ける必要があるし、ジャッジの目の前でだけ遅延されなかったら、ペナルティを出す事も延長時間を出す事もできない。 つまり、まずプレイヤーが対戦相手に口頭で注意した方が、結果的に自分が望む対応をしてもらえる筈。
 シャカシャカも一緒。対戦相手がマジックのゲーム以外の行為でイヤがる事を、対戦相手が要求したにも関わらず改善しないのは非紳士的行為にあたるので、それなりのペナルティを出す。(ゲームでやるのは仕方がないけどね。ウィニーデッキに《神の怒り/Wrath of God》を使われるのはイヤがる行為だけど非紳士的行為ではない)

 …ここまで書くと、また微細な例を出す人がいるけどね。「気味が悪いから、そのキモい顔をなんとかして下さい」というのもジャッジに言えるんですか? とかね。『何にせよ、例外はある!』 例外があるからジャッジが必要でジャッジが判断してるし、全部明文化してるんだったらマンガの「カードの王様」みたく馬鹿デカいルールブック持って検索すれば良いだけの事。 生まれつき声が小さい人が居るし、対人恐怖症の人も居るし、人と話すと吃音(どもり)が出る人も居る。そういう人に対して、対戦相手が「対戦相手の声が小さいので、よくきこえませーん。じゃっじぃ〜、こーゆーの良いンですかぁ〜」なんて言う奴が居たらオレはDCIに睨まれない程度で厳罰を下すよ(笑)。 片手が不自由な人が居るのに「相手がぁ、シャフルで時間稼ぎしてるんですけどぉ〜」なんてアピールする奴には説教(笑)。