タイプ3

 手元にある同人誌。発行年は96年8月。発行元は「愛の秘密結社幸せ会」。その当時の彼等のコミケでのブロックは「ときメモ」。内容は非公認マジック完全カードリスト。その当時発行されていたα版からアライアンスまで、全てのカードがリストされたB5版80ページの同人誌は、他の追従を許さない出来の良さだった。(新紀元社のリスト本はまだ出ていない、HJが絶版カードのリストを出したのは、その年の暮れに出した「ドミニアへの招待」が初だったが、可搬性の点で劣っていた)
 んで。そこの最後に各レギュレーション(って表現が懐かしいな。)についても書いてあったんだが、タイプ1、タイプ1.5、タイプ2、以外に「タイプ3」が書かれていた。どういうルールかというと、
・デッキは60枚以上
・1種類のカードは10枚まで使用可
・但し、強いカードにはポイントが振られてて、1つのデッキには合計20ポイントまでしかカードが入れられない。
 という内容。各Moxが3ポイント、チャネルが6ポイント、大気の精霊で1ポイント、…といった感じ。ネズミが10枚入れられるけど、加速系やドロー系のカードは高ポイントだから、枚数がそんなに入れられない、という形でバランスを取っていた。サイドボードを使うのも、10枚までは1ポイント・20枚だと2ポイント、といった制限があったり。結局のところ、ジャッジがデッキチェックするのも面倒な上に、新しいエキスパンションが出る毎にポイントを修正しなきゃゲームバランスが取れないので、誰もやらずに廃れていった、という所だろうか。
 実際そんなルールが公式にあったのか? 自分でも確認してみたり、人に聞いたりしてみたがそれらしき痕跡が見つからない。もしかすると、この同人誌を作るのにInquestとかSideboardとかを参照していたらしいから、その中で非公式ルールで提案されていたのをそのまま書いただけなのかもしれない。
 んで、なんでこんな事を書いたかってーと、…今こそ、Type3は面白いのかも、と思った訳で。実世界ではない、マジックオンラインの世界だったら。MOだったら各フォーマット毎にどのような構築デッキを組んできているのか全て統計を取る事が可能な筈。皆が使っているカードの頻度とそのデッキの勝率を機械的に算出できるだろうから、そこから使用率が高いカードほどポイントを高く割り振り、毎週ポイントリストを更新。 デッキ構築時にそのポイントを自動算出するようにすれば構築の手間もデッキチェックの手間も省ける。制限カードが毎週変わる変動相場制のフォーマット、なんてオンライン以外じゃ出来ないだろうから面白いと思うんだが。