マジック;ザ・ギャザリング高校生選手権に参加される、初心者に近い人への注意事項

 正直、自分はあんま高校生相手の仕事はしとりません。去年、蒲田で予選を手伝ったくらい。
でも、記憶に残る注意は非常に多かったりします。

1.Foilカードの取り扱いに注意
 貴方が思っている以上に、Foilカードは識別しやすいです。貴方が出来るか出来ないかではなく、ジャッジがデッキを確認して区別が出来るのなら、そのカードは「目印のついたカード」になります。例えば、黒いデッキを使っていて《鬼の下僕、墨目/Ink-Eyes, Servant of Oni(BOK)》を使いたいのに持っていないから、仕方がないのでプレリリースで貰ったプロモ墨目を使おうとした時。断言できますが、Foilカードを墨目だけで使ったら確実に区別が出来てしまい、結果的に「目印のついたカード(重度)」として非常に重いペナルティが出ます。
 そういう場合、Foilのカードを散らして入れて下さい。基本地形の2〜3枚、クリーチャーでも数枚、スペルでも数枚、アーティファクトでも数枚、といった感じで、バラバラにFoilを混ぜ込んでもらえれば、最悪でも「重度」ではなく「軽度」の扱いになり、重たいペナルティにはなりません。…それでも、理想は全部ノーマルもしくは全部Foilにする事ですし、Foilを混ぜて使う場合は極力Foilのカードの反りが目立たないように矯正しておいてください。

2.スリーブの汚れに注意
 スリーブは、新品か新品に近いものを使って下さい。半年使って見た目に味が出てきたスリーブ、なんてものは1枚1枚区別がついてしまうようなもんです。 マークト・カードでとっつかまらないために:スリーブのTips は必ず読んで下さい。
 最近はスリーブの裏面にドラゴンの絵が描いてあったり、ホログラムで自由の女神が描いてあったり、描いてなくてもホログラムで幾何学模様になっている物がありますが、それらは全て使ってはいけませんので注意して下さい。
# 手品用のトランプで、裏面の模様が一枚一枚微妙に違う事でカードの表側が分かる物があります(ディズニーランドのおみやけどかである奴)。 貴方はそういう目的がない、と言うかもしれませんが、もしかしたらスタッフには判別困難な目印があるかも知れません(例えばドラゴンの両目が白ければ土地、黒ければクリーチャー、片目だけ黒ければ呪文、とか)。無地ではない模様のあるスリーブだと、そういった細工がしやすくスタッフで判別しずらいのでルール上、無地ではないスリーブは使ってはいけない事になっています。

3.仕込みシャフルは絶対に禁止
 去年、一番注意したのが仕込みシャフル。2ケタ近い人に注意した記憶が。
 フロアを巡回していると、ラウンド終了後にデッキをひっくり返して表にして、全部のカードを土地と呪文とクリーチャーに分けて、土地・呪文・クリーチャー、土地・呪文・クリーチャー、という順番に積んじゃう子が。「なにやってるの?」「いや、さっき事故ったんで、事故らないシャフルをしているんですよ」
 それ、事故らないシャフルぢゃないから! 仕込みだから! イカサマだから!!!
「いや、それはルールで禁じられている不正行為にあたりますよ」「え、そうなんですか? 対戦相手の前で、ちゃんとシャフルしますけど」
 実際、こう受け答えする人は少なくありません。一見正しいように聞こえますが、簡単な例え話をしてみましょう。スタッフが会場内を見回っていたら、『ジャケットの胸ポケットや袖の中、スラックスのポケットにカードを隠そうとしている』人が居ました。「何やっているんですか?!」「あ、対戦前にはジャケット脱ぎますし、ポケットの中のカードも出しますから」 …これで納得するスタッフやプレイヤーが居ると思います?(笑) 「あとで、じゃなくて、今すぐ止めれ。つーか初めからするな」と言うのが普通だと私は思います。 「初めから疑われるような事はしない」と考えて、行動して下さい。
# カードを表にしなくても、リフル・シャフルとディーリング・シャフルを組み合わせて複数回行なえば、デッキチェック後の種類毎に固まった綺麗な状態からでもちゃんと混ざります。

4.対戦相手の説明するルールは、50%間違えている
 自分が知らないカードが出てきて、「こういうタイミングで使ったらどうなる?」「このカードと組み合わさったらどうなる?」と分からない場合があります。そして、対戦相手に聞く事はよくあります。そこまではOk。 …統計取ってるワケじゃありませんが、かなりの高確率で真逆のコト言ってます(笑)、50%は大袈裟ですけどね。
 自信なかったら、フロアにいるジャッジに聞いて下さい。対戦相手よりはジャッジの方がルールに詳しいです。ジャッジだって分からなかったら自分で勝手に判断して間違えるのを避ける為に、ルールを改めて確認する事も少なくありません。 間違えたまま進んで試合が終わってからチームメイトに指摘されて、ジャッジに上告されても時既に遅し、の場合が殆どです。間違えたまま進む前に、ジャッジを呼びましょう。ジャッジは呼ばれる為に居ます。プレイヤーがトーナメントを楽しめるように、ジャッジは居ます。

5.試合中のチームメイトには話かけない
 これはチーム戦独特の注意ですね。チームメイトに話し掛けるのは、極力避けましょう。「先済んだから、ジュース買ってくる」とかの日常会話まで全て禁ずるのは難しいですけど、それでも対戦相手やスタッフにとって日常会話なのか、それとも暗号で対戦相手の手札の中を伝えているのか分かりません。不正行為を疑われない為にも、紛らわしい事はしないようにして下さい。