帰りの一幕

 んじゃ、帰る前に軽くメシでも食いますか、とステップワゴンに子供達を満載して一路サイゼリアまで。雪は降る降る状況で視界は悪いは車重は重いは路面は最悪はで、これでスピード出したら自殺行為だな、てな所で時速20kmくらいで走行。フロントガラスも曇る状況で、丁度良いタイミングで交差点の信号が黄色に変わったので余裕持って停止。助手席に座った子からポケットティッシュ借りて内側の窓拭いて、椅子に座りなおしたと思ったくらいのタイミングで、

「どんっ!!」

 なんでこんなタイミングで追突されんねん。追突した方は顔色変えて「怪我はない?!」と聞いて来る状況。まぁこっちは気が動転はするけれども、まぁなんとなく助手席の子に「そこに交番あるから、ちょっと通報してきて」と言うくらいの余裕はあった。んで、お巡りさんも見てたらしく、コッチが行く前に来て「んじゃ、車をそこのセレモニーホールの駐車場に入れちゃって。あと車検証と免許証と自賠責保険の証書持って、交番まで来てー」と手馴れた様子。
「今日、そんなに事故多いすか?」「多いねー。ウチの交番じゃきみらが初めてだけど、市川署とか千葉県内だとゴロゴロ」
まー、お巡りさんも事情聴取は手馴れたもんで、こっちは免許証見せて仕事先言って、連絡先を言うくらい。スピードも出てなかったので「んじゃ、物損で事故証明出しておくから、あとは後遺症とか出たら連絡してねー」と気楽な感じ。聞くとはなしに、こっちは追突してきた方の事情聴取を聞いてたり。
「なんで止まれなかったの?」「いやー、荷物多くてですね。車間はちゃんと取ってスピードも無かったんですけど、雪の日にノーマルタイヤは無理でしたね」「ノーマルは無理だよぉ」「スタッドレスだったと思ったんですけど、全然止まらなくて。あっ! と思って無意識に急ブレーキ踏んだら、もうタイヤロックかかってズルズルー、どんッ、ですねー」
 そりゃ、雪のこの中をノーマルタイヤは難しいだろ…。「これから車で帰ろうと思うんですけど…」「あー、無理。貝塚から先、京葉道通行止めだもん」「そーですかー。じゃ、車ここらへんのパーキングに停めて、別で帰ります」「それが無難だよー」

 交番を、加害者被害者並んで出て、セレモニーホールの駐車場まで一緒に歩く。
 「アラジンさん、大丈夫?」「うや、オレは大丈夫だけどね。…ノーマルタイヤでギルドパクトの余りを全部車に詰めた状態だと、重くて止まんないよ、みやけんさん」(笑)。 助手席のかーしまさんに、どうだったのか詳しく話を聞いてないなぁ。